星からの贈りもの~幸せの大詰め

京都、滋賀で対面占い、十字屋カルチャーでタロット講師をしています

ラヴァーズパスタロット 8番力 ジークフリートとブルンヒルデ

【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります

 

恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。

ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。

7番戦車のカードの説明になります。

(過去のブログに0番からの説明ありです)

 

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力:ジークフリートとブルンヒル

キーワード:勇気、強さ、リーダーシップ、自信

 

ゲルマン神話北欧神話の背景】

ニーベルングの指輪】

二人の登場する物語は、ニーベルングの指環』(ニーベルングのゆびわドイツ語"Der Ring des Nibelungen")は、リヒャルト・ワーグナーの書いた楽劇。もとは北欧神話ゲルマン神話に代表される物語をベースににしたといわれています。ワーグナー35歳の1848年から61歳の1874年にかけて作曲され、3部作、舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』は序夜『ラインの黄金』、第1日『ワルキューレ』、第2日『ジークフリート』、第3日『神々の黄昏(たそがれ)』から成立している。トータル数十時間というオペラ最大の叙事詩ともいわれる傑作です。このなかのジークフリートから抜き出されています。

 

 

【物語の背景】

 

指環」早わかり&人物相関図|ジークフリート|新国立劇場

www.nntt.jac.go.jp

こちらのサイトより相関図を引用させていただきました。

(なにしろ相関図がないと理解できないほどでしたので)


☆あらすじ

ジークフリードは、ジークムントとジークリンデの子どもです。二人は兄妹でしたが互いに惹かれ合っていたました。ところが母親のジークリンデは森で息子ジークフリートを産んで亡くなり、鍛冶屋ミーメがジークフリートを育てていました。

 

ミーメはジークリンデから渡された霊剣ノートゥングの破片を鍛えて大蛇に化けて指環を保持するファフナーを倒したいと考えていましたが、彼にはどうしても鍛えらません。すると、さすらい人の姿をしたヴォータンが「霊剣を鍛えられるのは『恐れを知らない者』だけだ。その者にお前は殺される。」とミーメに言い伝えます。が、なんと剣を鍛え上げたのは彼が育てたジークフリートでした。

 

森でファフナーのことを見張っていたアルベリヒのもとに、さすらい人がきて「ミーメが連れてくる子が指環を手にする」と予言します。アルベリヒはいずれ自分が指環を手に入れ世界を支配すると思っていたのでうろたえます。

 

約束通りミーメは大蛇ファフナーのいる洞窟の前にジークフリートを連れていきます。そしてファフナーが目を覚まして出てきたところを、予言通りジークフリートは霊剣ノートゥングで心臓を一突き。ファフナーは息を引き取ります。

 

剣についたファフナーの血を舐め、森の小鳥の言葉が分かるようになったジークフリートは洞窟の宝の山から小鳥から教えてもらった隠れ兜と指環を持ってでてきました。すると、ミーメが指輪欲しさに自分を毒殺しようとしていることを察知し、ジークフリートはミーメを殺します。そしてジークフリートは岩山に炎に包まれて眠るブリュンヒルデのことを小鳥から教えてもらうことに。

 

岩山に辿りついたジークフリートは、女性ブリュンヒルデを初めて見てあまりの美しさに初めて畏怖の心を抱きますが、口づけして目覚めさせます。ブリュンヒルデは、甲冑も武器もない自分に少し戸惑うものの、永遠にジークフリートのものになると誓い2人は愛を歌い上げるのでした。

 

ヴァルキリー・ブルンヒルデは、神々と女神の神聖な支配者である父親のウォタンのお気に入りの子どもでした。ブリュンヒルデは、死すべきジークムンドの愛の物語に感動したとき、父ウォタンを裏切って怒りをあらわにします。彼女は初めて愛の力を理解しそれが彼女を十分に強くしました。そして彼女はジークムンドを助けることにします。そしてその結果、紆余曲折を得て、ジークムンドとジークリンデの愛の証で命をかけた息子ジークフリートとの彼女自身の本当の愛を見つけたのでした。

 

 

【意味】

正)弱さから強さへの変換。威厳。偉大な行いをするための力。信念を曲げない。

逆)不安または恐れを感じる。エネルギーの散乱。不和を生み出すことは他人を弱体化させます

 

【比較と深読み】

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8番力のカードは、北風と太陽にたとえられるように深い愛で手なずけさせるような包容力の意味といわれています。

ラバーズパスタロットでは、常識に囚われずに信じる力と運命の力が融合することで真実の愛を掴む姿を描いているように思います。

 

*このお話は私が好きな『指輪物語』の元型であるといわれていますが、今回あらすじをたどることで本当にそうだとつながったような気がしました。

 

 

ラヴァーズパスタロット 7番戦車 トリスタンとイゾルデ

【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります

 

恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。

ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。

7番戦車のカードの説明になります。

(過去のブログに0番からの説明ありです)

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VII DESIREトラディショナルカード:戦車
愛好家:トリスタンとイゾルデ

キーワード:動き、運命、移行、変化

 

【物語の背景】

トリスタンとイゾルデ』または『トリスタン物語』は、中世に宮廷詩人たちが広く語り伝えた恋愛物語。騎士トリスタン(Tristan)と、主君マルク王の妃となったイゾルデ(Isolde)の悲恋を描く。アーサー王物語に組み込まれ世界中から愛される物語に

 

時は伝説上の中世、舞台はイングランド西南部のコーンウォールです。

 

アイルランドの王女イゾルデは、コーンウォールを治めるマルケ王(トリスタンの叔父)に嫁ぐ航海をしますが、その時にイゾルデの護衛役を務めたのはトリスタンでした。かってイゾルデは戦場でトリスタンを介抱したことあり好意を抱いていました。

 

ところがイゾルデは自分を王の婚礼者として迎えに来たのがトリスタンだということに腹を立てて一緒に毒薬を飲もうとします。が、それは実は媚薬でした。瞬く間に二人は強烈な恋に落ちました。

 

ゾルデがマルケ王に嫁いだ後にも二人の熱愛は続きます。

 

マルケ王が狩に出掛けた隙に、トリスタンがイゾルデのもとを訪れ、二人は愛を語り合います。しかし王の忠臣の裏切りの策略で、マルケ王は戻ってきました。

マルケ王は信頼していたトリスタンと妃の不貞に深く嘆き、王は問いただすのですが、トリスタンは言い訳をしようとしまず、トリスタンは自ら剣を切り命を落とします。

 

後に、全ては愛の薬のせいだと知ったマルケ王は知るのですが、すでにもうイゾルデの運命は決まっており、彼女は至上の愛を感じながらトリスタンの後を追ったという物語です。

 

トリスタンは自分の家族がいませんでしたが、自分の息子としてトリスタンを愛し世話をしてくれたマルケ(コーンウォール)王に忠誠を誓っていましたが、あぁこれが運命なのでしょうか。さまざまな人の恨み妬みを受け、道を外れて、マルケ王への献身にもかかわらず、トリスタンはマルケの花嫁、イゾルデ、そして彼女と彼と恋に落ち命を落とすことになるとは…

 

戦車にこのカードが書かれた背景には、なにがあっても自分たちの意志とは違う形が働いても運命の流れには逆らえない、という意味があてがわれているように思います。その次に訪れる結果のことよりも強い流れということではないでしょうか。

 

 

【意味】

正)欲望に引っ張られている。人生の次の段階への移行。移行は、意図されているかのようにスムーズに進む

逆)焦り。消せないと感じる欲望にとらわれている。不便なタイミング。あなた自身の周りの前兆を無視。鈍感

 

【比較と深読み】

 

 

戦車 (タロットカード)|正位置・逆位置の意味やメッセージを解説

 

戦車のカードはまだ若く経験の浅い青年が、いざ出陣と強い意思で戦場に赴くような姿勢を表します。突破力、突進、勝利、征服というような一般的な意味になっています。

 

ラヴァーズパスタロットはそのなにがなんでも突進するというイメージに、外要因のしかけの運命の流れに組み込まれてしまうという意味も含まれるように思います。そしてその結果が悲運であっても、今は進まずにはいられないという強い情愛の力が働くカードのように読めました。

 

みなさんはいかがでしょうか?

 

 

ラヴァーズパスタロット 6番恋人たち イシスとオシリス

【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります

 

恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。

ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。

6番の恋人のカードの説明になります。

(過去のブログに0番からの説明ありです)

 

 

VI LOVEトラディショナルカード:恋人たち
愛好家:イシスとオシリス

キーワード:愛、調和、情熱、官能性

 

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【物語の背景】

エジプトの最も有名な神話

 

エジプトにオシリス(長男)、イシス(長女)、セト(次男)、ネフティス(次女)とう4人の兄弟がいましたが、オシリスとイシス、そしてセトとネフティスが結婚をし、長男であるオシリスが王となり、エジプトを統治します。

 

しかし弟のセトは王になった兄を妬んでいました。そんな時、こともあろうがセトの妻ネフティスがオシリスと浮気をしてしまいます。これを目撃したセトは怒り狂いオシリスを殺そうと企てます。


罠はオシリス体の寸法で造らせた美しい箱を作り、この箱にぴったり合う方に差し上げるというものでした。そして計画通りに箱に閉じ込めたオシリスをナイルに投げ込んでオシリスが二度と姿を現さないように、セトはオシリスの体を14にバラバラに切断して違う場所にばらまきいました。セトは王になりました。

 

しかしこの後オシリスの妻イシスはばらばらの体を集め、オシリスとネフティスの浮気でできた息子アヌビスがオシリスの体を包帯にくるんだところ、イシスの魔法の呪文でオシリスが復活します。しかし体を集めたときに生殖器だけが見つからず借り物で済ませたため不完全に復活したオシリスは、エジプトではなく死者の世界の神として生きることになりました。

 

やがてイシスはオシリスとの子“ホルス”を産みました。ホルスは幾度となくセトから嫌がらせを受けますが立派な青年に成長し、そして父オシリスの仇を討つため、ホルスとセトの長い戦いが始まるのです…。

 

 

イシスとオシリスの神話は、愛の力と、嫉妬という心のなかの悪魔が彼らの兄弟の魂を食べ、弟は兄オシリスを棺桶に閉じ込めナイル川に葬りますが、彼女の愛の力を使って女神はオシリスを生き返らせ最後の抱擁をした感動的な場面が切り取られています。

 



【意味】

正)愛とそれを奨励するものについての認識。新しい、重要な関係。愛のある平和はあなたとあなた自身の周りの世界を変える

逆)未熟さ恋愛関係におけるセクシュアリティと無責任で他人を操作する。ゲームプレイ。

【比較と深読み】

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恋人のカードでは、天使ラファエルのもとアダムとイヴが描かれ、愛と信頼のカードと一般的な意味をもちます。知恵の木と生命の木を背景に蛇が誘惑する様子も絵のなかに示唆されているとも言われています。

イシスとオシリスのカードでは、権力や浮気の嫉妬から愛が壊されたが愛の力で復活を果たす絵となっています。浮気をされたとイシスの広い愛の力といってもいいのかもしれません。が、生殖器だけ見つからなかった(魚に食べられたという説あり)のは、天罰が下ったという深読みができるようにも感じられます。

 

 

ラヴァーズパスタロット 5番教皇 ロミオとジュリエット

【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります

 

恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。

ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。

5番の教皇のカードの説明になります。

(過去のブログに0番からの説明ありです)

 

 

Vトラディショントラディショナルカード:教皇
恋人:ロミオとジュリエット
キーワード:構造、適合性、儀式

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【物語の背景】

ロミオとジュリエットは、イングランド劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる有名な戯曲です1595年前後に初演といわれています。

モンタギュー家の一人息子ロミオは、キャピュレット家の舞踏会に仮面をつけて忍びみますが、この家の一人娘ジュリエットと一目で激しい恋に落ちてしまいます。実は両家は仇敵同士。両家でトラブルを起こすものは殺すというしきたりがありました。

ところが、二人が宿命的な出会いをし、月光の下で永遠の愛を誓い合ったのもつかのま、かなしい破局をむかえる話はあまりにも有名です。

 

ロミオとジュリエット』がなぜ時をこえて人々の気持ちを掴むか、それは恋愛悲劇であるという要因が大きいでしょう。それは誰でも心の中に封じ込めた若いころに自分自身が諦めざるを得なかったこと…その思いが恋愛という青春時代の普遍的テーマで描かれたことでより胸に響くからです。若い恋人たちが社会によって課された障壁をはねのけて愛を成就させようとするという事柄はむしろ伝統的な心理を表現した系統ともいえるのでしょう。

  

 ロミオとジュリエットは、自分の星(ホロスコープ)を背負った恋人たちの典型的な例として描かれました。彼らの家族の伝統的なお互いへの憎しみにとらわれて、彼らの愛は悲劇的な結末しかあり得ませんでした。彼らの話は悲しいかもしれませんが、ロミオとジュリエットの愛は彼らの家族を悩ませていた不寛容の伝統に終止符を打ちました。二人の愛は平和と理解の新しい伝統に道を譲ることになったのです。

 

ロミオ 傷の痛みを知らぬ奴だけが、他人の傷痕を見て嘲笑(あざわら)う。

ジュリエット、二階舞台の窓に現われる。

シッ!なんだろう、あの向うの窓から射して来る光は
あれは東、すればさしずめジュリエット姫は太陽だ。
美しい太陽、さあ昇れ、そして嫉妬深い月を殺してくれ。
月に仕える処女(おとめ)のあなたが、主人よりもはるか美しいそのために、
あの月はもう悲しみに病み、色蒼(いろあお)ざめているのです。……
(第二幕第二場「キャピュレット家の庭園」)中野好夫訳『ロミオとジュリエット新潮文庫

 

【意味】

正)確立された社会構造に従う。恋愛関係では、安全のために結婚やその他の正式な構造への欲求。パブリックイメージの認識とそれを制御したいという願望。可能な剛性。

 

逆)緊張する古い社会構造を捨てる必要性。型破りなアイデアやアプローチ方法への恐れ。不適合。

 

【比較と深読み】

法皇

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社会ルールとモラルを教える精神的な導きの役割を果たす法皇

人々のゆるぎのないお手本として普遍的な良心を人に説くことで、

悩みに手を差し伸べるカードです。

ロミオとジュリエットにもその法皇は登場します。

若者の思いだけでは社会はまわらないことを説きます。

が、ロミオとジュリエットの愛は悲哀に終わる結果になりますが、それが社会通念を変える力をもったということが「愛の奇跡」のように伝わります。愛は世界を変えるが、いったんは二人の感情のままに進めないことを示唆してくれるカードのように思えます。

 

*自らの意志を社会の中で折り合いをつけながら考え進まれて愛を成就させられた真子様の力強さにも通じるものがあるのではないでしょうか。

ラバーズパスタロット 4皇帝 アーサーとグィネヴィア

【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります

 

恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。

ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。

 

3番の女帝のカードの説明になります。

(過去のブログに0番からの説明ありです)

 

 

IV POWERトラディショナルカード:皇帝

恋人:アーサーとグィネヴィア
キーワード:リーダーシップ、責任、権威

 

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【物語の舞台】

まずこの物語は、史実ではなく創作された話といわれています。6世紀あたりのブリテン島(イギリス)の伝説が発端ともいわれ、様々な伝承や創作が加わりながら書かれ続けました。ローマ軍が進軍してブリテンを制圧したときにブリテンのヒーローの誕生を望んだことで生まれた物語とも言われています。しかし戦いのなかすすむ人の悲哀やロマンスを含んだ物語の大ストーリーにそして舞台であるイギリスに留まらず、ヨーロッパ全土にわたって広がっていきました。

 

物語の主人公はアーサー王、その王を支える円卓の騎士たちが中心の物語です。

(1)アーサーが石に刺された「選定の剣」エクスカリバーを抜き、王になる

(2)王としてブリテンを統一

(3)グィネヴィアとの結婚や円卓の騎士結成、様々な冒険譚やロマンスが誕生

(4)王妃と騎士ランスロットの不倫によって円卓が崩壊しはじめる

(5)アーサー王の留守中に息子のモードレッドが離反

(6)カムランの丘でモードレッドを討ち、アーサー王が自分の死を悟る

(7)エクスカリバーを湖に返し、アーサー王はアヴァロンへ旅立った

アーサー王物語 - Wikipedia

アーサー王ハワード・パイルアーサー王と騎士たち』の挿絵)より

 

このカードではアーサー王とグィネヴィアが出会って結婚する場面を描いています。

アーサーの腹心魔術師マーリンはこの女とは幸せになれないと忠告しますが、

その助言に逆らっての結婚となります。

 

一方、グィネヴィアイングランド中西部・カメリアドの王レオデグランスの娘として誕生します。早くに母親を亡くしましたが、高潔で清廉な父王のもと、彼女は成長しました。

グィネヴィアが13~15歳の頃、カメリアドの国はウェールズからの激しい攻撃にさらされまが、ここで駆けつけて応戦したのが若きブリテンの少年王アーサーでした。その勇ましい姿に、グィネヴィアはすっかり見とれてしまいます。アーサーもまた、彼女の美貌と美しい金髪に惹かれていきました。こうして若きふたりは恋に落ち、めでたく婚約することとなったのです。



アーサー王とグィネヴィアの結婚式は、アーサーがブリテンを統一した年に、キャメロットの王宮にある聖ステファン教会で厳かに執り行われました。
キャメロットの広間には、花嫁の父から贈られた円卓が置かれ、そこに列席する騎士たちは「円卓の騎士」と名付けられます。

ジョンコリア『グィネヴィア王妃の五月祭の祝い』(1900年)




【意味】

正)力を賢く使う能力。助けることができる権威者または教師に会い力を借りる。リードし、刺激する能力。

逆)他人の力と権威によって抑圧されている。不安。受動的な攻撃。個人的な利益のために他人を操作するために力を使用する。

【比較と深読み】

タロットカード【皇帝(エンペラー)】の意味!恋愛/仕事/問題などの解釈も│電話占いおすすめ情報比較サイトキャラミル研究所

Ⅳ皇帝のカードでは中年の男性が威厳をかかえてリーダーシップを握る様が描かれています。だれからもリーダーとして頼られ、決断力があり繁栄に向かって強い意志を感じます。

一方、アーサー王はグィネヴィアを幸せにしたいという気持ちが反映されているようなカードになっています。国をつくることが女王の幸せといわんばかりです。

(物語は、その後アーサー王の盟友ランスロットとグィネヴィアの不倫問題から国を揺るがす争いに発展していくのですが、その暗示のようなカードにも見えます…)

 

アーサー王物語は戦いの背景はありながらも、数々のロマンスを描いたお話しになっていることで幅広い人から愛されている物語といえるでしょう。

 

ラバーズパスタロット 3番FERTILITY(皇后)

【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります

 

恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。

ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。

 

3番の女帝のカードの説明になります。

(過去のブログに0番からの説明ありです)

 

3番の女帝のカードの説明になります。

(過去のブログに0番からの説明ありです)

 

 

 

III FERTILITYトラディショナルカード:皇后
恋人:クレオパトラとシーザー
キーワード:繁殖力、豊かさ、成長

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先のカードとはちがい、クレオパトラは歴史上実在した人物です

クレオパトラ

紀元前69年エジプトのアレクサンドリアプトレマイオス朝王家に生まれる

紀元前51年(18歳)8歳年下の弟プトレマイオス13世と結婚してファラオになる

紀元前48年(21歳)アレクサンドリアカエサルと出会う

紀元前47年(22歳)カエサルとの間に息子カエサリオンが誕生

紀元前44年(25歳)息子カエサリオンをプトレマイオス15世として再びエジプトの共同王位に

紀元前41年(28歳)アントニウスと出会いトルコで結婚

紀元前31年(38歳)ギリシャ・アクティウムの海戦で大敗し、アントニウスの後を追って死亡

 

https://turkish.jp/wp-content/uploads/cleopatra2.jpg

【物語の背景】

紀元前48年、カエサルクレオパトラプトレマイオス13世の和解を取り持つために、アレクサンドリアで仲介しようと試みます。しかし二人は戦闘状態であったため、クレオパトラアレクサンドリアに入る事が難しい状況でした。

そこでクレオパトラは自身を絨毯に包ませ、カエサルへの贈り物となりカエサルの元に参上することに成功します。こうして二人は出会いました。カエサルは、絨毯の中から出て来たクレオパトラに驚くとともに魅了され親密な仲になりました。

カエサルクレオパトラプトレマイオス13世を和解させますが、この和解も続かず、カエサル率いるローマ軍は紀元前47年にナイル川の戦いでプトレマイオス13世を死に追いやり制圧しました。プトレマイオス13世はナイル川で溺死したと言われています。その後、クレオパトラはもう一人の弟プトレマイオス14世と再度姉弟婚をし共同統治を行いますが、しかしこれはカエサルの後ろ盾によるもので、実際はクレオパトラがほぼ単独で統治をしていました。そして、紀元前47年には、カエサルとの子であるカエサリオンが産まれます。)

 

肥沃なナイル川の女王、20年以上にわたってエジプトの皇后として君臨しました。この間、彼女は魅惑的な魅力、音楽的な声、そして珍しい知性で古代世界で知られるようになったクレオパトラは自分の美を最大限に利用したともいえるでしょう。

シーザーはすぐに若い女王と恋に落ち、彼女が王位を取り戻すのを首尾よく助けました。彼らは一緒にカエサリオンという名前の子どもをもうけます。

 

その後、クレオパトラはもう一人の弟プトレマイオス14世と再度姉弟婚をし、共同統治を行います。

カエサルは彼女を支える愛人であったのですね

しかし、カエサルが紀元前44年にブルータスらの共和派に暗殺されると、逃げるようにエジプトに戻るクレオパトラでしたが、夫のプトレマイオス14世の死後、後継者として小さな息子のカエサリオンをプトレマイオス15世に襲名させ再度共同統治を行いました。

 

またもやシーザーの息子を王に襲名させ実質はクレオパトラが政治を行っていたということですね

 

一方、カエサルの甥っ子で養子であったオクタウィアヌスマルクス・アントニウスレピドゥス三頭政治をとり、カエサルを暗殺したブルータスらの共和派を討伐するのですが、やがて、この三頭政治派が戦いで勝ち実権を握っていくのですが、ここで実力派アントニウスはブルータス派をつらぬくクレオパトラが統治するエジプトでの実権を握ろうと遠征したときクレオパトラに会い、またもや魅了されてしまいます。このときにアントニウスは重婚の罪を犯してしましますが、これが今後に続く悲劇を招いていくのです…

アントニウスまで魅了し、その後の世界地図を書き換えるまでのきっかけともいえるクレオパトラ

 

クレオパトラ7世|偉人の好物|明治の食育|株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd.

 

 

【意味】

正)自分の人生を支配する。新しい結婚または特別な関係。物理的なものを求めた結果として現れる実用的な行動。子供。芸術的努力、または富。妊娠。

 

逆)剥奪または不妊。物的資源の不足を感じています。圧倒する限界。誘惑。

 

【比較と深読み】

 

女帝のおなじみのこのカードは、女の幸せを描いているカードです。

椅子には恋愛の象徴「金星」描かれています。

満たされた女性の満足なカードになります。

 

一方、クレオパトラをみると、たしかに美しく男性を魅了して女の幸せを掴んでいますが、その奥には、男を通じて実権を握るという野心も外すことはできません。

数々の実力者を魅了して思いのままにほしいものを手にするクレオパトラ

そこに全体をみて憂う気配はなく、あくまでも自分にとって幸せな選択であるかどうかが重要になっています。

幸せな笑みをたたえるウエイト版の「女帝」にも

もしかしたら女帝という名前の通りそんな野望を秘めているようにも見えきます。

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 



ラヴァーズパスタロット 2番 ウイズダム(wisdom)

【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります

 

恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです

ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです

 

2番は「女教皇

こちらのタロットでは 

WISDOM(ウイズダム)賢いこと、賢明、知恵、分別、賢さ、賢明にもこと、学問、知識、博識 という言葉が与えられています

 

 

II WISDOMトラディショナルカード:女教皇
恋人:ShahrazadeとShahriyar
キーワード:知識、教育、悟り、知恵で乗り越える

 

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【カードの舞台】

2番の女教皇を考えるとき。賢明な女性として千夜一夜物語のなかでの「シェヘラザード」を登場させました。

千夜一夜物語』は、イスラム世界における説話集。英語版の題名より「アラビアンナイト」の名称でも世界的に知られています。シェヘラザードは、『千夜一夜物語』の登場人物で語り手。サーサーン朝(サーサーン朝ペルシャ)のシャフリヤール王(Shahryār)の王妃であり、毎夜、命がけで王に物語を語る才媛で勇気のある女性です。

 

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シャフリヤール王は彼の一番目の妻の不貞を発見した怒りから、処女と結婚しては翌朝には処刑するという愚行を繰り返していました。殺害が続いたとき、大臣の娘のシェヘラザードは王の蛮行をやめさせるために、自ら王との結婚を志願しました。

 

シェヘラザードは自ら王と一晩を共にすることとなりますが、やがて処刑される身であるため、彼女は最愛の妹ドニアザードへの別れを告げたいと望みます。二人はドニアザードがシェヘラザードに夜の間中話し続けるようせがむことを内密に約束しており、従って、王もおのずと横になってシェヘラザードの最初の話に聞くことになります。けれどもシェヘラザードは夜明けが近づくと話を途中で切ってしまいます。王は話を最後までするように言いますがシェヘラザードは慎み深く、「明日お話しするお話は今宵のものより、もっと心躍りましょう」と王に言い聞かせます。

そして王は新しい話を望んでシェヘラザードを生かし続け、千と一夜の物語を語り終える頃には二人の間にはとうとう子どもが生まれることに。王は自分とシェヘラザードの間に子どもが出来たことを喜び、シェヘラザードを殺さないことと彼女を正妻にすることを誓うという流れになります。

 

多くの説得力のある物語を語るシェヘラザードの知恵と王の愛と信頼。そうすることで、彼女は自分の命と、王国の仲間の女性の命を救いました。

 

【意味】

正位置)教育から得られた知恵。本の学習を理解することが救いになる。知恵を使って困難な状況をより良い方向に変えます。

逆位置)学びたくない。表面だけ。知性や教育に脅かされている。知識や理解の欠如によって制限されている。

【比較と深読み】

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教皇のタロットカードで描かれる黒と白それぞれ闇(ボアズ)と光(ヤヒン)の柱とされており、0と1が何も始まっていないカオスの世界だとしたら2で陰陽が極まる太極がはじまると言われています。

思慮深く叡智をそなえ相手を受け入れていく、知性をそなえた究極の完成度の女性ということになる女教皇に対し、シェヘラザードは知恵で乗り越えていく……、まるで「力」のカードが相手を力ずくではなく母性愛で変えていくかのように、ここでは知性の力で状況を好転させるようなシェヘラザードの「賢さ」が描かれたカードになっているといえます。

 

タイトルは知っていても実際のストーリーは知らないものです。

短時間で秀逸にまとめられている動画です。

4分あたりからシェヘラザードの活躍は語られます。

それにしても浮気をされて女性不審に陥った王が処女を殺す復讐に走るあたりは普遍的な男性のもつ根本心理かもしれないと考えさせられました。