【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります
恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。
ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。
3番の女帝のカードの説明になります。
(過去のブログに0番からの説明ありです)
3番の女帝のカードの説明になります。
(過去のブログに0番からの説明ありです)
III FERTILITYトラディショナルカード:皇后
恋人:クレオパトラとシーザー
キーワード:繁殖力、豊かさ、成長
先のカードとはちがい、クレオパトラは歴史上実在した人物です
【クレオパトラ】
紀元前69年エジプトのアレクサンドリアでプトレマイオス朝王家に生まれる
紀元前51年(18歳)8歳年下の弟プトレマイオス13世と結婚してファラオになる
紀元前47年(22歳)カエサルとの間に息子カエサリオンが誕生
紀元前44年(25歳)息子カエサリオンをプトレマイオス15世として再びエジプトの共同王位に
紀元前41年(28歳)アントニウスと出会いトルコで結婚
紀元前31年(38歳)ギリシャ・アクティウムの海戦で大敗し、アントニウスの後を追って死亡
【物語の背景】
紀元前48年、カエサルはクレオパトラとプトレマイオス13世の和解を取り持つために、アレクサンドリアで仲介しようと試みます。しかし二人は戦闘状態であったため、クレオパトラはアレクサンドリアに入る事が難しい状況でした。
そこでクレオパトラは自身を絨毯に包ませ、カエサルへの贈り物となりカエサルの元に参上することに成功します。こうして二人は出会いました。カエサルは、絨毯の中から出て来たクレオパトラに驚くとともに魅了され親密な仲になりました。
(カエサルはクレオパトラとプトレマイオス13世を和解させますが、この和解も続かず、カエサル率いるローマ軍は紀元前47年にナイル川の戦いでプトレマイオス13世を死に追いやり制圧しました。プトレマイオス13世はナイル川で溺死したと言われています。その後、クレオパトラはもう一人の弟プトレマイオス14世と再度姉弟婚をし共同統治を行いますが、しかしこれはカエサルの後ろ盾によるもので、実際はクレオパトラがほぼ単独で統治をしていました。そして、紀元前47年には、カエサルとの子であるカエサリオンが産まれます。)
肥沃なナイル川の女王、20年以上にわたってエジプトの皇后として君臨しました。この間、彼女は魅惑的な魅力、音楽的な声、そして珍しい知性で古代世界で知られるようになったクレオパトラは自分の美を最大限に利用したともいえるでしょう。
シーザーはすぐに若い女王と恋に落ち、彼女が王位を取り戻すのを首尾よく助けました。彼らは一緒にカエサリオンという名前の子どもをもうけます。
その後、クレオパトラはもう一人の弟プトレマイオス14世と再度姉弟婚をし、共同統治を行います。
カエサルは彼女を支える愛人であったのですね
しかし、カエサルが紀元前44年にブルータスらの共和派に暗殺されると、逃げるようにエジプトに戻るクレオパトラでしたが、夫のプトレマイオス14世の死後、後継者として小さな息子のカエサリオンをプトレマイオス15世に襲名させ再度共同統治を行いました。
またもやシーザーの息子を王に襲名させ実質はクレオパトラが政治を行っていたということですね
一方、カエサルの甥っ子で養子であったオクタウィアヌスとマルクス・アントニウスとレピドゥスは三頭政治をとり、カエサルを暗殺したブルータスらの共和派を討伐するのですが、やがて、この三頭政治派が戦いで勝ち実権を握っていくのですが、ここで実力派アントニウスはブルータス派をつらぬくクレオパトラが統治するエジプトでの実権を握ろうと遠征したときクレオパトラに会い、またもや魅了されてしまいます。このときにアントニウスは重婚の罪を犯してしましますが、これが今後に続く悲劇を招いていくのです…
アントニウスまで魅了し、その後の世界地図を書き換えるまでのきっかけともいえるクレオパトラ
【意味】
正)自分の人生を支配する。新しい結婚または特別な関係。物理的なものを求めた結果として現れる実用的な行動。子供。芸術的努力、または富。妊娠。
逆)剥奪または不妊。物的資源の不足を感じています。圧倒する限界。誘惑。
【比較と深読み】
女帝のおなじみのこのカードは、女の幸せを描いているカードです。
椅子には恋愛の象徴「金星」描かれています。
満たされた女性の満足なカードになります。
一方、クレオパトラをみると、たしかに美しく男性を魅了して女の幸せを掴んでいますが、その奥には、男を通じて実権を握るという野心も外すことはできません。
数々の実力者を魅了して思いのままにほしいものを手にするクレオパトラ
そこに全体をみて憂う気配はなく、あくまでも自分にとって幸せな選択であるかどうかが重要になっています。
幸せな笑みをたたえるウエイト版の「女帝」にも
もしかしたら女帝という名前の通りそんな野望を秘めているようにも見えきます。