【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります
恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。
ストーリーを通して読めるので
一枚でも深読みしていくことが可能なカード。
14番 バランス(節制)のカードの説明になります。
(過去のブログに0番からの説明ありです)
XIV BALANCEバランス:節制
テーマ:ヴィーナス(金星)とバルカン
キーワード:調和、自制心、平衡
【物語の背景】
未発見の惑星「バルカン」とは、太陽と水星の間を回っている星です。実際には発見しにくいとされていますが、バルカンはギリシャ神話では有名な神ウルカヌスとも呼ばれています。ヘラの息子で生まれましたが足がまがって生れたため、火山の中に棲み、神々が注文する武器を造る鍛冶屋の神となりました。容姿が醜いにもかかわらず、絶世の美女ビーナス=金星と結婚します。
ところが金星は、春の到来に関連する自然の女神として最初に崇拝されていましたが、性と社会が好きな姦淫的で官能的な女神ヴィーナスです。恋人は言われる火星マースはハンサムで精悍で、刺激的で攻撃的な軍神。神々はこの奔放な女神に、ねじれて足が不自由で偽造の足をもつ不自由な神バルカンと結びつけます。しかしヴィーナスは夫に感謝することはなく、情事を続けます。
やがて、バルカンは不貞を暴き、他の星々に寝取られた事実を証明させるのですが、それにもかかわらず、ヴィーナスとバルカンの結婚を続けました。
*不貞を暴かれたとき
「ウルカヌスに驚かされるヴィーナスとマルス」1555年ごろ ベルリン美術館
バルカンは、自分の欲求のままに生きている人に、欲求の方向を調整するよう運命の一撃を与えます。す何故こんな目に遭うのかを自然に考えさせ、本能と欲求を支配し、自分を直す必要を感じ始める役目を請け負いました。
【意味】
正)統合と均衡。反対の間のバランス。連合。精神の意識的および無意識的な側面の融合、混ぜ合わせる
逆)不均衡。不快感。他の人の内外で平和を見つけることができない。インスピレーションの欠如。
【カードの比較】
ライダー版
協調、節度、バランスなど物事を調整していく意味として知られています。
また、二つの事柄を混ぜ合わせうまく調和させるカードともいわれ、
バランスをたもっていくよう意味づけられています。
ラヴァーズパスタロットでバルカンと金星がモチーフとされたのは、
不貞云々の金星のことよりも
ハンデを負って生れたバルカンと奔放な金星であっても、
それぞれの欲望や意思を汲み取り、
うまく感情や事柄を混ぜ合わせて、結婚生活を乗り切ることに
意味があるように思います。
カードの絵のカップルは不貞を発見した名画と比べ
とても明るい様子で描かれているのが印象に残ります