【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります
恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。
ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。
6番の恋人のカードの説明になります。
(過去のブログに0番からの説明ありです)
VI LOVEトラディショナルカード:恋人たち
愛好家:イシスとオシリス
キーワード:愛、調和、情熱、官能性
【物語の背景】
エジプトの最も有名な神話
エジプトにオシリス(長男)、イシス(長女)、セト(次男)、ネフティス(次女)とう4人の兄弟がいましたが、オシリスとイシス、そしてセトとネフティスが結婚をし、長男であるオシリスが王となり、エジプトを統治します。
しかし弟のセトは王になった兄を妬んでいました。そんな時、こともあろうがセトの妻ネフティスがオシリスと浮気をしてしまいます。これを目撃したセトは怒り狂いオシリスを殺そうと企てます。
罠はオシリス体の寸法で造らせた美しい箱を作り、この箱にぴったり合う方に差し上げるというものでした。そして計画通りに箱に閉じ込めたオシリスをナイルに投げ込んでオシリスが二度と姿を現さないように、セトはオシリスの体を14にバラバラに切断して違う場所にばらまきいました。セトは王になりました。
しかしこの後オシリスの妻イシスはばらばらの体を集め、オシリスとネフティスの浮気でできた息子アヌビスがオシリスの体を包帯にくるんだところ、イシスの魔法の呪文でオシリスが復活します。しかし体を集めたときに生殖器だけが見つからず借り物で済ませたため不完全に復活したオシリスは、エジプトではなく死者の世界の神として生きることになりました。
やがてイシスはオシリスとの子“ホルス”を産みました。ホルスは幾度となくセトから嫌がらせを受けますが立派な青年に成長し、そして父オシリスの仇を討つため、ホルスとセトの長い戦いが始まるのです…。
イシスとオシリスの神話は、愛の力と、嫉妬という心のなかの悪魔が彼らの兄弟の魂を食べ、弟は兄オシリスを棺桶に閉じ込めナイル川に葬りますが、彼女の愛の力を使って女神はオシリスを生き返らせ最後の抱擁をした感動的な場面が切り取られています。
【意味】
正)愛とそれを奨励するものについての認識。新しい、重要な関係。愛のある平和はあなたとあなた自身の周りの世界を変える
逆)未熟さ恋愛関係におけるセクシュアリティと無責任で他人を操作する。ゲームプレイ。
【比較と深読み】
恋人のカードでは、天使ラファエルのもとアダムとイヴが描かれ、愛と信頼のカードと一般的な意味をもちます。知恵の木と生命の木を背景に蛇が誘惑する様子も絵のなかに示唆されているとも言われています。
イシスとオシリスのカードでは、権力や浮気の嫉妬から愛が壊されたが愛の力で復活を果たす絵となっています。浮気をされたとイシスの広い愛の力といってもいいのかもしれません。が、生殖器だけ見つからなかった(魚に食べられたという説あり)のは、天罰が下ったという深読みができるようにも感じられます。