【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります
恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。
ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。
7番戦車のカードの説明になります。
(過去のブログに0番からの説明ありです)
VII DESIREトラディショナルカード:戦車
愛好家:トリスタンとイゾルデ
キーワード:動き、運命、移行、変化
【物語の背景】
『トリスタンとイゾルデ』または『トリスタン物語』は、中世に宮廷詩人たちが広く語り伝えた恋愛物語。騎士トリスタン(Tristan)と、主君マルク王の妃となったイゾルデ(Isolde)の悲恋を描く。アーサー王物語に組み込まれ世界中から愛される物語に
時は伝説上の中世、舞台はイングランド西南部のコーンウォールです。
アイルランドの王女イゾルデは、コーンウォールを治めるマルケ王(トリスタンの叔父)に嫁ぐ航海をしますが、その時にイゾルデの護衛役を務めたのはトリスタンでした。かってイゾルデは戦場でトリスタンを介抱したことあり好意を抱いていました。
ところがイゾルデは自分を王の婚礼者として迎えに来たのがトリスタンだということに腹を立てて一緒に毒薬を飲もうとします。が、それは実は媚薬でした。瞬く間に二人は強烈な恋に落ちました。
イゾルデがマルケ王に嫁いだ後にも二人の熱愛は続きます。
マルケ王が狩に出掛けた隙に、トリスタンがイゾルデのもとを訪れ、二人は愛を語り合います。しかし王の忠臣の裏切りの策略で、マルケ王は戻ってきました。
マルケ王は信頼していたトリスタンと妃の不貞に深く嘆き、王は問いただすのですが、トリスタンは言い訳をしようとしまず、トリスタンは自ら剣を切り命を落とします。
後に、全ては愛の薬のせいだと知ったマルケ王は知るのですが、すでにもうイゾルデの運命は決まっており、彼女は至上の愛を感じながらトリスタンの後を追ったという物語です。
トリスタンは自分の家族がいませんでしたが、自分の息子としてトリスタンを愛し世話をしてくれたマルケ(コーンウォール)王に忠誠を誓っていましたが、あぁこれが運命なのでしょうか。さまざまな人の恨み妬みを受け、道を外れて、マルケ王への献身にもかかわらず、トリスタンはマルケの花嫁、イゾルデ、そして彼女と彼と恋に落ち命を落とすことになるとは…
戦車にこのカードが書かれた背景には、なにがあっても自分たちの意志とは違う形が働いても運命の流れには逆らえない、という意味があてがわれているように思います。その次に訪れる結果のことよりも強い流れということではないでしょうか。
【意味】
正)欲望に引っ張られている。人生の次の段階への移行。移行は、意図されているかのようにスムーズに進む
逆)焦り。消せないと感じる欲望にとらわれている。不便なタイミング。あなた自身の周りの前兆を無視。鈍感
【比較と深読み】
戦車のカードはまだ若く経験の浅い青年が、いざ出陣と強い意思で戦場に赴くような姿勢を表します。突破力、突進、勝利、征服というような一般的な意味になっています。
ラヴァーズパスタロットはそのなにがなんでも突進するというイメージに、外要因のしかけの運命の流れに組み込まれてしまうという意味も含まれるように思います。そしてその結果が悲運であっても、今は進まずにはいられないという強い情愛の力が働くカードのように読めました。
みなさんはいかがでしょうか?