【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります
恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。
ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。
13番 トランスフォーメーション(死神)のカードの説明になります。
(過去のブログに0番からの説明ありです)
XIIIトランスフォーメーション
伝統的なカード:死
恋人:ペルセポネとプルート
キーワード:変化、結末、始まりデメテル、収穫の女神
象徴:水仙、ザクロ
【物語の背景】
ペルセポネとはギリシア神話の春または、花の女神、にして冥界の女王でありハーデス(プルート)の妻になります。
ペルセポネは水仙を摘んでいるときに冥界の王ハーデスに連れ去らわれます。ペルセポネに恋したハーデスに、大切な娘が奪われたことに母であるデメテルは激怒しますが、父であるゼウスはハーデスの力を見込んで結婚を許可してしまいます。
一方、冥府に連れ去られたペルセポネーは丁重に扱われましたが、自分から進んで暗い冥府に来たわけではないため、ハーデースに心を開かず、ハーデスのアプローチにも首を縦に振ることはありません。
その後ゼウスがハーデスにペルセポネーを解放するように伝えたところ、ハーデスは泣く泣く応じ、解放することになりました。しかし、その際、ハーデースがペルセポネにザクロの実を差し出すと、拒み続けたペルセポネですが、いよいよ空腹に耐えかねて、そのザクロの実の中にあった12粒のうちの4粒(または6粒)を食べてしまいました。
母のデメテルの元に帰ってきたペルセポネ。冥府のザクロを食べてしまったことを母に告げます。冥界の食べ物を食べた者は、冥界に属するという神々の取り決めより、ペルセポネーは冥界に属すことに…しかしなんとか、ペルセポネは食べたザクロの数だけ冥府で暮らす(1年のうちの1/3(または1/2)を冥府で過ごす)ことで収まり、彼女は冥府の王妃ペルセポネーとしてハーデースの元に嫁いで行くとこになりました。
神話では豊穣の女神で母のデメテルは悲しみから娘が冥界に居る時期だけは、地上に実りをもたらすのを止めるようになったといいます。これが冬(もしくは夏)という季節ということに…そして、ペルセポネーが地上に戻る時期は、デメテルの喜びが地上に満ち溢れるとされ、これが春という季節のはじまりということです。そのため、ペルセポネーは春の女神と言われる由縁です。
【カードの意味】
正)変換。新しいための余地を作るために何かが死ぬのを許す必要性。変化による喪失への恐れ。死から生命を創造する。
逆)停滞。変容に抵抗する。新しい方向に進む必要がありますが、そうすることができません。剛性。
【カードの比較】
ウエイト版での13番、死神
死と再生といわれるカードでリセットカードとも言われています
ラヴァーズパスタロットでの
プルートは13番目の惑星、冥王星のプルートを
連想させます。
異界へのツール
破壊と再生
しかしここではペルセポネに受け入れてもらえない
プルートの恋に悩む姿が描かれていて
激しさを伴うウエイト版のカードと印象が違います。
しかしハーデス(プルート)は
ゼウスの申し出を受け、一度ペルセポネを手放すことで
結果、自分の女神として迎えることができました。
もともと乱暴な手口で連れ去ったハーデス
本当に手に入れるときは
誠実に向き合う姿勢が大事ということでしょうか
このカードは一度手放し、
無となることで再生を望むことを意味するカードといえるでしょう