星からの贈りもの~幸せの大詰め

京都、滋賀で対面占い、十字屋カルチャーでタロット講師をしています

ラヴァーズパスタロット 9番 熟考(隠者)アベラールとエロイーズ

【タロットに描かれた恋人たちの物語】
ラバーズ・パスタロットの続きになります

 

恋人タロットといわれるこのタロットは恋愛にまつわる物語のワンシーンを切り取ってカードに表現しているタロットです。

ストーリーを通して読めるので一枚でも深読みしていくことが可能なカードです。

9番隠者のカードの説明になります。

(過去のブログに0番からの説明ありです)

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IX熟考伝統的なカード:隠者

コンテンプレーション 沈黙 黙考 熟考 熟視

恋人:アベラールとエロイーズ

キーワード:撤退、内省、撤退

【物語の背景】

ピエール・アベラールPierre Abélard 、1079年 - 1142年4月21日)は中世フランスの論理学者・キリスト教神学者。「唯名論」学派の創始者として知られ、後にトマス・アクィナスらによって集成されるスコラ学の基礎を築いたとされる学識派。パリノートルダム大聖堂付属学校で神学哲学の教師となって非常な名声を得ます。

 

ところが、

 

1117年頃、アベラールはノートルダム大聖堂参事会員フュルベールの姪エロイーズと出会い魅力を感じ、フュルベールに住み込みの家庭教師となることを申し出ます。自然と惹かれあう二人は20歳以上年の離れていたにもかかわらず熱烈な恋に陥ることに…。

 

やがてエロイーズは子どもを身ごもったため、アベラールは彼女をひそかに自分の妹のところにかくまい、そこで男の子が生まれることになります。

 

このスキャンダルに彼女の父フュルベールは激怒しますが、アベラールは和解を申し出て、エロイーズと秘密の結婚をしました。そして、アベラールは新妻をアルジャントゥイユ修道女院へ移しましたが、アベラール自身は叔父の怒りを買い、企てによって自分の召使たちに陰茎を切断されてしまいます。

去勢者となったアベラールは困惑と恥辱感からサン・ドニ修道院に入った。そこの小堂に籠り、神学と哲学の講義を再開するのですが…。

 

アベラールはパリを離れてサン・ドニ修道院に移り、修道士となり、エロイーズはアルジャントゥイユ修道院の修道女になったという悲哀こもるお話となります。

 

なかなかすごい二人の実話のようですが、

書簡が有名で本にもなっています!

レヴューも絶賛ものなので興味がわきますね

本書のあらすじの引用)フランス中世の哲学者アベラールとその女弟子エロイーズの2人が取り交わした書簡集。 12通知られる。 アベラールはパリにあって名声を博した時期に、佳人エロイーズと相愛の仲となり(当時アベラール39歳、エロイーズ17歳)、結婚して1子をもうけた。 だがエロイーズの叔父により2人は引き裂かれ、それぞれ修道生活に入ることになった。

 

 

まとめると、

ピーター・アベラールは、中世の時代に優れた神学者および教師として有名で、アベラールはすぐに哲学的対話の習得と思考の独立性で知られるようになりました。それは当時としては反権力主義で、彼は教会の方針に反対し、異教の伝統に共感する立場を取ることを主張します

しかし、順調かと思われるアラバールの最大のスキャンダルを引き起こしたのは彼のエロイーズへの愛情でした。彼らの禁じられた愛の物語は、アベラールの1130年の本、The History of MyCalamitiesに記載されている、と締めくくられます。

 

【カードの意味】

正)あなたの心に耳を傾けます。内面の生活に隠遁します。現時点では、あなたのニーズは他者との関係ではなく、自分自身との関係に焦点を合わせています。

逆)世界に気を取られている。直感を無視します。表面性。あなたの心とのつながりがない感じ。

 

【深読みと比較】

9番隠者のカードは、内に向かって思考を深めるカードです。精神を主題にして物事を推敲するテーマのカードです。

ラヴァーズパスタロットでは、反教会主義で哲学などを深めた彼が一人の女性との出会いで自分の身体を通して悟りを修道場に求める姿を描いています。愛するが故の身の潔白を時間をかけることで証明したのではないでしょうか